投資信託の仕組みについてだいたいイメージできたと思います。では、選択する際のポイントについてもお話しましょう。

 

まず金融商品というのは、「安全性」「流動性」「収益性」という一般的な要素を持っています。ところがこうした要素を兼ね備えた金融商品というのはないのです。「収益性」の高い場合は「安全性」が低くなりがちです。「安全性」、「流動性」が高いなら「収益性」がどうしても低くなるのです。

 

「安全性」では、投資するお金が目減り、予想外の損をする可能性を確認します。「流動性」は、必要な時に、換金できるかということです。「収益性」は、実際に収益がどの程度見込めるのかということです。こうしたそれぞれの特性をしっかり見極めた上で選ばなければなりません。

 

目的に応じて使い分けするのもいいですし、組み合わせるという考えは常に持っておきたいものです。早めに使う可能性のある資金の場合は流動性の高い金融商品を選びます。通常は代金の受け取りまで4~5営業日かかるのですが、投資信託の中には、MRF、MMFのように即日換金できるものもあります。

 

安全性と収益性のバランスも重要です。投資信託では、国内の公社債中心の運用もあれば、デリバティブなどで積極的に運用するものもあります。いろいろな種類があるのです。そこで、検討する投資信託の目論見書や運用報告書をよく理解しなければならないのです。

 

実際に投資信託を購入するのは販売会社からで、具体的には証券会社、銀行、保険会社、信用金庫、郵便局などで購入できます。運用会社によっては、自社の投資信託を直接販売する場合もあります。

 

購入の手続きですが、初めて投資信託を購入する人の場合は、投資信託を販売している販売会社に口座を開設する必要があります。口座開設には、印鑑と本人確認書類が必要です。

 

投資信託の取引が成立したら、販売会社から契約締結時交付書面(取引報告書)が投資家に送付されます。これには、購入ファンドの名称、単価、取引数量、約定金額(取引数量×単価)、手数料や消費税が記載されています。